在庫の「勘管理」が、静かに利益を削る
在庫管理を担当者の経験と勘に頼っていると、2つの損失が同時に起きます。
- 欠品:売れるはずだった機会を逃す。取引先の信用も落とす
- 過剰在庫:仕入れた現金が在庫に固定され、保管コストや廃棄ロスも発生する
やっかいなのは、この2つがトレードオフに見えて、実は両立して防げることです。鍵は「いつ・いくつ発注するか」を勘ではなくルールで決めること。そのルールを、いまのExcelに組み込みます。
発注を仕組みにする「3つの数字」
在庫管理の自動化は、商品ごとに3つの数字を持たせることから始まります。難しい計算は不要です。
| 数字 | 意味 | 決め方の目安 |
|---|---|---|
| 発注点 | これを下回ったら発注する在庫量 | 1日の使用量 × 入荷までの日数 + 安全在庫 |
| 発注量 | 1回に発注する量 | 使用ペースと最小ロットから設定 |
| 安全在庫 | 急な需要に備える最低ライン | 過去の変動から少なめに設定 |
この3つを商品マスタに持たせれば、あとは「現在庫が発注点を下回ったら知らせる」だけで、発注のタイミングを逃さなくなります。
Excelでできる在庫自動化の中身
1. 発注点アラート
現在庫が発注点を下回った商品を、色付けやリスト化で自動表示。毎朝のメール通知にもできます。「気づいたら欠品」がなくなります。
2. 在庫の見える化
入出庫を記録するだけで、現在庫・適正在庫・過不足を自動集計。どの商品が過剰で、どれが不足気味かが一目で分かります。
3. 発注量の自動算出と発注書作成
使用ペースと発注点から、発注すべき数量を自動計算。さらに取引先別の発注書まで自動生成すれば、発注業務そのものが数分で終わります。受発注の転記をなくす話はデータ入力・転記の自動化もあわせてどうぞ。
始め方:全商品ではなく「動く商品」から
最初から全SKUを管理しようとすると挫折します。まずは出入りが多く、欠品や過剰が起きやすい主力商品に絞って発注点を設定し、アラートを動かしてみる。効果を確認してから対象を広げるのが成功の近道です。
在庫データが正確であることが前提なので、入出庫の記録方法もあわせて簡単にします。何から手をつけるか迷う方は最初に自動化すべき業務の見つけ方を、手段の比較はExcel自動化の手段比較をご覧ください。
まとめ:在庫は「減ってから」では遅い
欠品も過剰在庫も、発注を勘に頼ることから生まれます。商品ごとに発注点・発注量・安全在庫を決め、発注点を下回ったら自動で知らせる——この仕組みを今のExcelに入れるだけで、両方を同時に防げます。
「在庫を見て、勘で発注する」毎日から、「アラートが来たら確認して発注する」毎日へ。まずは主力商品の1つから始めてみてください。
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Q. 専用の在庫管理システムを入れないと無理ですか?
いいえ。商品数が数百〜数千程度であれば、Excelやスプレッドシートで発注点アラートや在庫の見える化は十分に実現できます。既存の管理表を活かして構築できます。
Q. 発注点はどう決めればいいですか?
目安は「1日の平均使用量 × 入荷までの日数 + 安全在庫」です。過去の出庫データから算出できます。最初は少なめの安全在庫から始め、運用しながら調整するのが安全です。
Q. POSや販売管理ソフトのデータと連携できますか?
CSVなどで出力できれば連携可能です。販売データを取り込んで在庫を自動更新する形にもできます。お使いの環境に合わせて構築します。
