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システム更新の外注で「最新版」を鵜呑みにしない|見積もり前提の確認法

古くなったホームページや業務システムの更新を外注するとき、見積もりによく登場するのが「最新版へ更新します」という一文です。ところが作業完了の報告で、更新後のバージョンが最新版ではないと知らされることがあります。「最新版」は、発注側と受注側で意味がずれやすい言葉です。弊社自身が実際に経験し、反省した事例をもとに、なぜこのずれが起きるのか、発注前に何を確認すべきかを解説します。

システム更新の見積もりの前提条件を確認するイメージ

実際にあった事例——「最新版へ更新」が最新版ではなかった

弊社がご依頼いただいたのは、長年更新されていなかったWordPressサイトの更新作業でした。10年近く前の古いバージョンで動いており、セキュリティ面のリスクが高い状態です。見積もりには「最新版へ更新」と書きました。

ところが作業を始めると、サーバー側のPHP(サイトを動かす土台のプログラム)のバージョンが古く、WordPressの最新系統の動作要件を満たさないことが分かりました。土台ごと更新すると表示崩れや停止のリスクが大きい。そこで安定動作を優先し、その環境で安全に動く一つ手前の系統を選定しました。技術的には妥当な判断です。

問題は、その選定の経緯を完了報告書で初めて説明したことでした。お客様からいただいた評価には「見積もりや作業の際に、前もってご説明いただけるとさらに有難い」と書かれていました。仕上がり自体にはご満足いただけましたが、期待値の管理としては明確な失点です。この一言は、発注側・受注側の双方にとって教訓になると考え、本記事にまとめています。

なぜ「最新版」にできないことがあるのか

更新作業で「最新」を選ばない判断は、実は珍しくありません。主な理由は3つあります。

つまり「最新にしない」は多くの場合、手抜きではなく安全側の判断です。見分けるポイントは「その系統に今もセキュリティ更新が提供されているか」です。ここが満たされていれば実用上のリスクは大きく下がります。逆に、理由の説明なく古い系統に置かれたままなら確認が必要です。放置されたシステムのリスク全般はITツールとセキュリティの考え方も参考にしてください。

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発注前に確認すべき3項目

この経験から、発注側が見積もり段階で確認すべきことは3つに絞れます。そのまま業者への質問文として使えます。

受注側としての弊社は、この件以降バージョン更新系の見積もりには前提条件と対象バージョンを明記し、変更が生じる場合は着工前に説明する運用へ改めました。発注側がこの3項目を質問してくれると、丁寧な業者ほど答えやすくなります。答えを渋る業者は、その時点で判断材料になります。外注全般の失敗パターンはRPA失敗事例5選と回避の3原則も併せてどうぞ。

費用相場と、更新を「点」で終わらせない考え方

長期間放置されたWordPressサイトの更新は、バックアップ・互換性検証込みで数万円前後からが目安です。カスタマイズの量や不具合の有無で上下します。土台(PHPやサーバープラン)の更新まで含む場合は、その分の工数が加わります。

ここで考えたいのは、単発の更新で終えると数年後に同じ問題が再発するという構図です。更新の間隔が空くほど互換性の壁は高くなり、1回あたりの費用も膨らみます。月数千円規模の保守で小さく更新し続ける方が、数年単位の総額では安くつくことが多い——これが弊社の経験からの実感です。費用の考え方は自動化の費用相場の「作って終わりにしない」という原則と同じです。

まずは自社のホームページや業務システムが「最後にいつ更新されたか」を確認することから始めてください。それが分からない状態こそが、いちばんのリスクです。

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よくある質問

Q. 「最新版にはしません」と言われました。手抜きでしょうか?

一概には言えません。サーバー環境の制約や部品の互換性から、最新版が最適ではないケースは実際によくあります。確認すべきは2点で、①なぜその系統を選ぶのかの説明があるか、②その系統にセキュリティ更新が継続提供されているか、です。両方に明確な答えがあれば、むしろ安全側の判断と考えられます。

Q. 見積もりに何と書いてもらえば安心ですか?

①更新後の対象バージョン(系統)、②「環境制約により変わる場合は事前に連絡する」という前提条件、③バックアップと切り戻しの手順、の3点が書かれていれば十分です。この記事の3項目をそのまま質問文として送っても構いません。丁寧な業者ほど、こうした確認を歓迎します。

Q. 何年も放置したサイトです。更新と作り直し、どちらがよいですか?

分かれ目は「今のサイトの中身(デザイン・記事・機能)を今後も使い続けたいか」です。中身に価値があり続けるなら更新、デザインや構成ごと刷新したいなら作り直しの方が結局安くつくこともあります。まず現状診断(バージョン・土台・不具合の有無)を受け、両方の概算を並べて比べるのがおすすめです。

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TOTONO編集部 | 運営者・編集方針
株式会社SCコンサルティングが運営する業務自動化メディア「TOTONO Journal」編集部。中小企業の自動化・効率化の受託実績をもとに、現場で使えるノウハウと最新の制度・ニュースをお届けします。